昔はあって、今はなくなってしまったのではないかと仮定してみる。
その場とは、機織り場。
昔は農家などに一家に一台機織り機があって、母親(嫁)が機を織る。
この辺は「鶴の恩返し」のイメージもあるでしょうけれど、機織り部屋は機織り機があるだけの狭い部屋=機織りをする人しか入れない(入る必要が無い)
つまり、母親(嫁)のプライベート空間なわけです。
西洋なら男性の書斎、女性なら・・・・・工房(アトリエ)?
スー、パタン、コンコン
スー、パタン、コンコン
スー、パタン、コンコン
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家族に顔を合わせず、ひとりで無心に作業に没頭する。
舅や姑に言われた無神経な一言とか、理不尽とか、味方になってくれない夫とか、
家族とか部落などの閉じた社会の中で、逃げ場のない嫁のひとりになれる空間が機織り部屋であり、気持ちをリセット出来る作業が機織りだったのかもしれないなぁ、と考えたわけです。
日々、ちょっとした心のささくれを貯め込むのではなく、家族に顔を合わせず、ひとりで無心に作業に没頭することでリセットする。
気晴らしに気軽にどこかに行くこともできない嫁の息抜きの空間と作業。
ただ衣服を自給自足するだけではなく、嫁の、女性のガス抜き効果という側面をもっていたのが機織りだったのかも。
写真はよしはらさんに撮っていただきました。
Satosee!